2024.11 https://youtu.be/saXc1JxfZdI
やむを得ない事故、起こるべきして惹起した事故
危険予知・経験による危険予測
安全運転を徹底するためには、運転手自身の危険予知能力が不可欠です。危険予知とは、運転中に遭遇する可能性のある危険を事前に察知し、対策を講じ得る能力を指します。これに関連する概念として、経験による危険予測が挙げられます。過去の経験を基に、リスクを想定できる能力のことです。
また、ハインリッヒの法則によれば、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故と300のヒヤリハット(危険を感じた瞬間)が存在すると言われています。このことからも、小さな事故やヒヤリハットを適切に管理することが望まれますが、実際にヒヤリを経験しなくても、ヒヤリを予想する、情報を共有する環境下では、結果として大きな事故を防ぐ鍵となります。企業はこれらの情報を集めて分析し、運転手に研修を実施することで、事故の予防に努めなければなりません。
予見の難しいやむを得ない事故と起こるべくして惹起した事故
事業用自動車による事故は、企業にとって無視できないリスクの一つとなります。特に、賠償責任が発生する場合、その影響は事業運営に重大な打撃を与えることがあります。今回は、事故の要因を深く掘り下げ、「予見の難しいやむを得ない事故」と「起こるべくして惹起した事故」の違いについて考察します。
事故には、予見が難しい突発的なものと、予測可能な要因が重なり合って引き起こされるものが存在します。たとえば、急な悪天候や道路の突然の閉鎖など外的要因による事故は、事前に予測することが難しく、やむを得ない事故とされます。こうした場合、企業は適切な事後対応を行うことで社会的信用を維持することができる場合があります。
一方で、運転手の不適切な運転操作や不十分な安全確認、過労運転など、企業の内部管理の不備が原因で起こる事故は「起こるべくして惹起した事故」として扱われます。
この場合、企業はその責任を問われ、多くの場合賠償責任を負うことになります。
これが、企業の信用やブランドイメージに致命的な影響を与えることも少なくありません。
選択と行動
事故を他人事と軽んじていると、自己中心的な不安全な運転など、普段の言動にも表れます。
事業用自動車を運転する身として、交通弱者に限らず多くの車両が行きかう公道では、危険の予測を十分に行い、職業運転手として恥ずかしくない行動を選択してください。
お互いが譲り合えることが理想ですが、自分本位な人がいることも事実です。
自分本位な運転をする人がいるから、「じゃぁ、俺も」というのではなくて、そのような場面に出くわしたら、反面教師として自分を見つめ直す機会にしましょう。
一時の感情の起伏や、安全に対する意識の低い運転によって発生した起こるべくして惹起した事故の社会的な評価は厳しいものがあります。
私たちの生活において、事故は予期せぬ瞬間に発生します。特に「やむを得ない事故」と呼ばれるものは、事前に予測できず、その結果として多大な影響を及ぼすことが多いです。こうした事故は、ただ偶然に起こるのではなく、しばしば「起こるべくして惹起した事故」と言える側面を持っています。私たちは、これを認識し、事故を未然に防ぐために、経験と情報共有による危険の予測に努めることが求められます。
履行に必要な注意義務
企業や職場には、労働者の安全を確保するための「注意義務」が法律上も求められています。これには、職場環境の点検やリスクアセスメントが含まれ、潜在的な危険を把握することが重要です。しかし、単に法律上の責務を果たすだけではなく、従業員一人ひとりが危険を感じ取る能力を高めることも、重要な役割となります。経験の共有が促進されることで、特定の業務や作業環境に特有のリスクを早期に発見し、安全対策を講じることが可能になります。そのため、定期的な研修やミーティングを通じて、社員同士が情報を交換し、共通の理解を持つことが不可欠です。
替えの利かない、唯一無二の職場、環境
現代のビジネス環境は多様性に富んでおり、各企業が独自の文化や技術、環境を有しています。これにより、一つ一つの職場が替えが利かない唯一無二の存在となっています。この特異性は、その職場でしか得られない経験や知識を養う一方で、他の場所では想定できない特有の危険を伴うことがあります。例えば、特定の機械や技術を用いる現場では、その扱いに不慣れなスタッフがいると、予期しない事故のリスクが高まります。したがって、その環境における経験の蓄積を重ねることが、危険予測能力を向上させる重要な要素となります。
惹起してしまったその後
事故が発生すると、その影響は職場全体に及びます。たとえ「やむを得ない事故」であったとしても、その後の対応や対策が不十分であれば、さらなる事故の誘因となる危険があります。事故が生じた環境を改めて見直し、情報を徹底的に共有する姿勢が求められます。また、経験を基にした組織全体の改善活動も不可欠です。この過程を通じて、単なる反省に留まらず、未来へとつながる安全文化の醸成が図られるのです。
結論として、私たちが直面する「やむを得ない事故」を未然に防ぐためには、経験と情報の共有が財産となり、履行に必要な注意義務を果たすことでしか、替えの利かない職場環境を守ることはできません。事故が起こった後の適切な対応により、教訓を未来に生かし、安全性を高める努力が必要です。これら全てが、より安全な職場環境の実現に向けた第一歩となるのです。
動画による拡散もさることながら、危険運転等の要件に抵触することで運転者本人にも制裁があることを考えれば、一般ドライバーよりもより高度な知識と経験、心構えを以って運転をなし、職業運転手の中でも一段階も二段階も成熟した倫理観で模範となる運転の実践が必要です。
・4m4秒・発進前の周囲確認
・車線変更時の周囲の確認
・割り込み、急ブレーキ等の予測
・やるかやらないか
・やらない理由を作らない
・続けるか諦めるか
・言い続けないと、あれ、最近言われないな。
・これでいいのかな?
まとめ
事業を継続するうえで危険予知や経験による危険予測を活用する取り組みの継続が必要です。
企業は、運転手の教育訓練や安全管理を徹底し、事故を未然に防ぎ、社会的信頼を守っていくことが求められるのですから、
長時間労働になりがちな職種であっても、理屈や情理を以って自制する気概が必要になってきます。
やって当たり前、出来て当たり前と、褒められるといったことが決して多くありません。
厳しいことを言いますが、社会の中で経済活動をするのであるから、当然である。と多くの人が口を揃えるでしょう。
人よりも早く起きる。人が就寝している時間から働き出す。
規制によって緩和したと言っても超過勤務ありきの職業である。
決して楽な仕事ではないけれど、楽じゃないからこそ価値があるとも言えます。
人が簡単にできる仕事であれば、有難みも薄れます。
誰もが出来る仕事じゃないから、そこに誇りと信念をもって社会や家族に誇れる仕事にしていきましょう。