2024.03 トラックGメンとその後
2023.7 162名からなるトラックGメン
2023年7月、全国162名のトラックGメンが創設されました。
悪質な荷主に対し、法に基づく「働きかけ」や「要請」、「勧告・公表」を行う。
(荷主都合による恒常的な長時間の荷待ち、運賃、料金の不当な据え置き行為)
荷主へのヒヤリング、聞き取り調査
(国土交通省・地方運輸局、都道府県労働局、地方経済産業局、地方農政局の合同)
Gメンによる貨物自動車運送事業法に基づく初の勧告・・・王子マテリア
・・・ヤマト運輸
Gメンによる要請後も違反原因行為を疑うに足りる相当の理由があると認め、違反行為をしないように勧告、その旨を公表、改善計画の提出を指示した。
国の働きかけによって改善が見込まれる一方、責任がついてくることに変わりはありません。
尚一層の負担(責任)を求める契約のまき直し、追加、明文化が予想されます。
約束とは契約のことですが制約とも言えます。
求められるものの中には、当たり前のことから「えっ、こんなことまでやるの?」みたいなものがあるかもしれません。
今までの提供してきた価額に当たり前に付加されてきた価値。(付加価値)
時間に間に合うように早く出勤する、並ぶ、急ぐ、といったことが、価額に転嫁されるという事は、今まで提供されていた付加した価値が評価された一方で、付加価値貯金が無くなるという事でもあります。
ココで原点に立ち返って欲しいのですが、提供する側される側、サービスをする側受ける側、これらには優位性のある立場が存在するということです。
資本主義社会においては一般的にお金を支払う側が強くなります。(一時的な有事を除く)
仕事を振る側、サービスを受ける側。
今は国の働きかけがあって価額の調整を行っている過渡期ですから、貨物事業運送事業側が優位にあると言えますが、これは一過性のものだと思っていてください。
これらの改革が広く浸透し、環境がこなれることで新たな運送会社が出るかもしれない。
体力のある企業であれば、不採算部門と言われやすい物流であっても、最低限の設備環境を整えるかもしれない(余裕を持たせるため、緊急時のための保険、特約を含める)
相当な期間後に新たな価格競争が行われる恐れ(入札に相当するものを含む)
自分が強くなったと勘違いしてはいけません。
「親しき中にも礼儀あり」
言葉の掛け違いで争いになるかもしれない。
歴史を見ると、発端は些細なことが原因(裏にある権益は別として)であることが往々にしてあります。
あくまでも謙虚に、やらせていただくという感謝の気持ちを忘れずに。
労働基準法の話でも出たじゃないですか。
労働者が搾取されすぎないための法律だって。
労働者、使用者、どっちが強いか?
一般的にはお金を払う側が強いんです。
そっち側に富が集中しやすくなるんです。¥
だから法律で、賃金、労働条件、使用関係解消の方法を明文化しているんです。
(労働契約、解雇予告等)
売り手市場、買い手市場の話もそうです。
一時的に売り手市場になることがあって、一層のこと起業しようかと自分でトラック(軽を含む)を用意しても仕事が安定的に来なくては生活環境の維持が出来なくなります。
そういったコストのかかる環境に身を置いてしまったら、安価であっても安定的な仕事量を確保することでジリジリと・・・・。
いっとき行政の働きかけによって環境の整備が図られた程度に留めること。
それも一過性の可能性がありますから、資本社会の原則を忘れないこと。
今回は自分を含め、律する気持ちを皆さんにも持ってもらいたく、このような話にしました。
年度が替わります。新しい環境に変わっていきます。
今までのこの会社の強み、付加価値を提供できる会社であり続けられるように。
皆さんの歩みがここで止まらないことを願いつつ、今回はここでお終いとします。