環境を守りながら進化する運送業界の挑戦

 

2024.01

今ある環境を守るために出来ること

 https://youtu.be/whVlzMktY_w

 

あけおめ。

振り返れば、良くも悪くもチョイチョイでした。

一部、   厳しい指導のあるところもありますが、かといって、この仕事を生業としている

私たちは、おいそれと職業を変えることは出来ません。

この後、クローズアップしていきますが、皆さんが持っている、この職業で培った経験は貴重なものです。

 

いまこの会社で運んでいるものを変えるという選択が出来なくはないですが、ノウハウの習得までも考えると幾つかの壁が出来てきます。

 

その壁を越える楽しさもありますが、商売ですから、下積み、修行の時間は短い方がいい。

その職業の技術の習得、環境の整備に掛かる時間が長ければ長いほど、参入障壁に守られることになります。

 

実は、私たちの職業は参入障壁に守られているとも言えます。

 

憶えていますか?
この会社に配送の依頼が来る理由。

 

大型、危険物の免許  = 一般貨物との差別化

タンクローリーがある = 貨物トラックより高い

消防法による保守点検 = 手間、費用が掛かる

ノウハウ       = 車両登録、ルート登録

           = 作業の技術(菊池さん)

御縁         = 登録の充実、引継ぎ

 

 

これは「参入」障壁があるという事であって、既にいる同業他社との差別化ではありません。

持ち届けと倉取という住み分けはありますが、持ち届けの会社(シフト配送)が倉取り仕事に全く関与をしない。という訳ではありません。

 

その逆も然り。(持ち届け配送に参入)

時代の流れと共に新しい産業への移行も、何年、何十年も先にはあるのでしょうが、需要が全くない訳ではありません。

社会のインフラが整わないと、石油への依存は無くなりません。

この場合のインフラは、新燃料の自動車が安価で普及する、灯油に変わる暖房用燃料、発電方法etc、ですが、石油の需要が減ってきていることは確かですので、将来的には少ない仕事を奪い合うこともあるかもしれない。

幸か不幸か、働き方改革での労働時間、拘束時間等、2024年問題があり、就業環境の整備が一層進んで参ります。

物事にはメリット、デメリットがあります。

残業ありき、時間外労働に依存をしてきた業界なので、そこで働く労働者も生活環境を維持するための岐路に立たされています。

 

健康的な体、体力があり続ければ、尚緩やかな変革だったかもしれませんが、労働力の高齢化が進み、特に三石世代よりもお若い労働力がとても少ない。

このような状況はこの会社に限りません。

皆も、昔のように走れない、体力がなくなってきたと感じているはずです。

気持ちは若くても体がついてこない、変調をきたすことも屡々です。

 

この環境を守ること。そのために何をしないといけないのか、我々には何が出来るのかを考えて仕事をしないと、自らの立場を悪くすることもあり得ます。

結果的に首を絞めることになりかねない。という事をしっかりと知っておかないと後悔をする事になります。

この後悔は、自分だけに留まりません。

同僚にも波及します。

 

具体的には、会社が社会的な信用を無くし、仕事の依頼が来なくなる。

依頼=高確率で事故(同業他社と比べて)では荷主、この場合は石油代理店ですが、事故率の高い運送会社に自分の大事な顧客へ配送をさせるかってことです。

需要は減ってきたいるんです。

将来的に仕事を奪い合うこともあり得るんです。

運送会社に限らず、石油代理店も顧客から愛想を尽かされては困るんです。

仕事がしたくても、リスクの方が大きいから相手にしてもらえない。

運賃を下げて仕事を貰っても、賠償の責任はついてきますから、事故を起こせばお金が出ていきます。

事故が続いて廃業する会社だってあります。

 

よく聞く話ですが、新規に顧客を獲得する手間暇、コストと、継続させる手間暇、コストは前者の方が、負担が大きくなります。

常に新規客の開拓をする事も必要ですが、今ある顧客、今ある商社(石油代理店)の満足、(顧客満足)を得られるように環境を整えていた方が負担は少ない。

新規のお客様であるから、新しい油槽所、製油所での荷役許可を取る。

積場が変われば積込訓練も必要です。

昔と違って体力も、記憶力も落ちてきました。

作業の癖というものもあります。

東京油槽所、憶えていますか?

同じような内容なのに、マニュアル通りに積んでください。

見極め中に指摘があれば、その最中に修正を求められます。

出来なければ、また見極めのテストを受けて下さい。と言われるんです。

(ちなみに太陽運輸の乗務員で再見極めを受けたものはいません)

今までの信用の積み重ねがあるから、(高得点で見極め合格をしていた実績)減点箇所を甘めに判定をされた可能性もあります。

(三石さん、ココとココ、あとで指導しておいてくださいね。という事もありました。)

信用があったから、(事故が無かった実績)大事にせずに口頭での注意で済んだという事もあり得ます。

もちろん、日頃の皆さんの安全な荷役が多分に影響をしていると思いますが、管理者として運輸部会に参加をして顔を突き合わせて年間行事に参加してきたことも少なからず影響をしていると思われます。

そういう信頼関係(掛け値なしの信頼)を大切にしていかないといけない。

 

 

そこで最初に戻りますが、今ある環境を守るために、何をすべきか?

 

作業事故を無くすこと。

無いことが前提です。

 

その為にすべきこと、何をすべきか、出来ることは?。

 

指差呼称をしてください。

安全作業の為に確認をしてください。

皆さんのお仕事は大変な責任のある仕事です。

一度事故を起こせば、多大な損害額になり得ます。

事故の発覚が遅れれば、人命にかかわることもあります。

他の職種でも言えることですが、我々はこの仕事にどっぷりと漬かってきました。

どのような状況・環境から事故が発生して、事故をすると、どのような危険が発生するのか?

どのくらいの損害になるのか?

対応の遅れによってどのような被害が出るのかを知っています。

我々の持っている危険予知、危険感受力+経験値は一般人の比ではありません。

どのような状況、環境で事故が起きるのかを知っている我々が、なんで事故を起こしてしまうのか?

仕事に取り組む誠実な心持ち、態度であれば不可抗力でなければ起き得ない。

誠実な心持ち、態度とは、雨が降っていて嫌だな。

濡れちゃうな。

だから、確認作業を省略しようではダメなんです。

指差呼称をする。

一般的には恥ずかしいし、みっともないと感じる人もいるかもしれません。

奇異な目で見られるかもしれない。

でも、そのような行動を当たり前の環境にしていくこと。

パトロールをする事で、注意喚起にもなりますが、それが続けば指差呼称をする事が当たり前になる。

指差呼称が出来る者には模範乗務員として表彰することもあります。

これを洗脳だなんて言わないでください。

面倒くさい。配送が遅れる。なんて言わないでください。

パトロールの指差呼称が、普段のそれと違うのは知っています。

普段から指差呼称をしないことと、パトロール時に指差呼称をすると配送が遅れると言うのとでは所領時間が明らかに違います。

普段からやってください。

普段からやっている人は、夜中の二時に積み込みを見せてください。

と言われても出来ます。

普段からやっているのは、今の仕事、職場が大事だと思っているからやっているんです。

信用がなくなることで自分の職場が不利な状況になるのがわかるからやっているんです。

配送が遅れるから、指差呼称は出来ませんなんて言いません。

小言を言われるからやってやるか!

という人もいるかもしれませんが、大半は自分のいる環境を大事に思っているからやるんです。

 

この職場は腰掛けだ。

首になったら他所に行けばいいなんて気持ちでは、迷惑ですから。

 

事故は偶々の積み重ねで起きるとも言えますが、あれをやっていれば、こうしていれば事故は起きなかったというのはよくある話で、でもやらなかったから事故が起きた。

管理者から指摘される、周りから非難されるのがわかるから言えない。

後手に回ってしまう対応は悪手です。

 

指差をしたのに、それでも事故が起きるわけ

 

指差をしたのだけど、前後の行動に付随する指差呼称、取り回しが適切ではなかった。

ホースの付け替えをした。

ホースがピンピンでジョイント接続口に負荷がかかる。

ホースと油の重さで金口がゆがむ。

パッキンの許容を超えて隙間が出来る。漏れる。

ホースの延長。

延長をしたことによるホースの取り回しを誤って落とす。漏れる。

ホースの延長を避けるために車両の付け直しをした。

ハッチ蓋が開いていた。

付近に置いていた絞り缶を踏みつけた。

少しだけ伸ばすつもりだったのでアースコードを外していなかった。

付け替えた注油口の油種、番号が違っていた。

番号が違っていただけであっても、卸し間違いに違いはない。

しかも注油したタンクが満タンだった。

 

新任の管理者さんにはわからない、行動と結果の予測ができる経験値はとても大切です。

やろうとすれば、これをお金に変えることが出来るほどの財産です。

皆さんは、それくらいのものを既に持っているわけですから、それを有効に使ってください。

気付かなかった。っていう人が過去にいましたが、どうぞ宜しく。