仕事に対する誠実な取り組みと充実感の追求

 

2020.9 提供する技術、演出する技術

 https://youtu.be/zDbc7gwvJfk

 

いろいろな仕事がある世の中で、如何に仕事に充実感をもって、やる気をもって、誇りをもて、積極的に取り組むには、どういう観念でいる必要があるでしょうか?

どんな仕事であっても、無駄なことは何もないと思うのですが、その仕事をする上で、人に指示され、やらされるという環境では、本気で取り組むことは難しいのかなと思います。

その職種を選んだ理由、続けている理由、この会社でないと嫌だと思う理由であって、

ここにいたい、5年後、10年後もここで仕事をしていたいと思える環境であれば、本気で取り組めるのかな?と思います。

我々は今、ここにいたいと思える環境を皆で作っている最中ではありますが、仕事に対して誠実に、真面目に取り組んでいる人は信頼に値するというか、任せていて安心できる存在になっていきます。

自分の人生の主人公は自分ですから、誰かに強制されるとか、誰かにいいように使われ搾取されるというのではなくて、自分がどうしたいか、そう思った環境になるように具体的に何を始めればいいのか、何に取り組めばいいのか、今の環境から一歩踏み出す。

方向性は定まっていますから、具体的な行動を起こして、誇れる仕事をしていきましょうよ。

 

 

そうはいっても、我々は人間ですから、特に二面性のある人っていうのかな?

人だから本音と建て前を使い分けるのは当たり前ですけど、その人の本音を言葉や態度で垣間見たときに、その人のデリケートなところを感じとってしまいますよね。

ふてくされていて、面白くないと消極的な発言をしたところ、それが、自身のことではなくて、人の批判に終始してしまって、堰を切ったように普段我慢していたことを捲し立てて吐露してしまった。という経験はないですか?

普段、心の中で思っていて、それが真面目な人であればあるほど、尚、真剣に不満を理路整然と溜め込んでいた人は饒舌に不満を言えてしまうんでしょうね。

そういう人が全部が全部、嫌な奴じゃないんですよ、真面目だから言えてしまったんだと酌んであげてください。

自分の考えだとか、思いを理路整然とまとめ上げ、人がどう思っているか相手の身になって考えられて、相手がただ愚痴を聞いて欲しいだけなのか、それとも解決策を求めているのか、

そんなことまで考えて振舞えたら、きっと政治家か宗教も始められるでしょうね。

我々の中にはね、そういうことが出来る人もチラホラ見えますけど、その人は、人の感情に左右される、干渉せざるを得ない環境につくことをあえて避けるために、この職業を選んでいるんだろうなっ思います。

心に余裕のない時は、ふとしたことでも癇癪を起すというか、我慢のできないときってありますからね。

あ~あ、なんでこんなことで怒っちゃったんだろう?

いつもなら、全然聞き流せるのにって。

育った環境も関係はするんでしょうけど、昔の環境に影響はされてはいても、今の生き方とか感じ方を、より豊かなに穏やかな心持で受け止められるようになれたらいいですね。

そのためには、マズローの5段階説を理解したうえで、自分が欲している環境を知れていれば、少しは違うのかなって思いますけど。

今の自分は、ただ眠いのか、金が欲しいのか、環境を壊されたくないのか、名誉とか称賛が欲しいのか、それとも自己実現のために自由になる時間が欲しいのか?

 

 

普段、慣れたこの仕事をしている我々って、超、仕事早くないですか?

慣れてますから、次に何をやればよいのかを小脳が記憶しているんですって。

だから早くできるそうで、新しいことを始めたときなんて、全然できないでしょ?

何かしらを学ぶとき、その一字一句がどういう意図で使われていて、どういう効果が発生する為の要件なのか?

考えながら、あてはめながら理解して。

一回理解してしまえば、何でこんなに苦労していたんだろうって不思議に思うんですけど、自分の血肉にすると言うか理解して使える知識にするまでは大変ですよね。

皆さんは、そういう貴重な知識と経験をもって、他の人たちが一朝一夕ではできない、結構、高度なこと普段やっているんですよ。

ここ何年かに、この業界のお仕事をレクチャーする機会がありましたけど、この一滴の軽油すらも落とさない荷役って言うのは、知って慣れていれば造作もないことではあるのに、初めてこの仕事に触れる人、若しくは、むかーし昔にやったことのある経験者で、昔はそんなにうるさくなかったという環境にいた人からすると、「えー、こんなに丁寧にしないといけないの?」って戸惑うこともあると思うんです。

それは、三石がいるからっていうだけじゃなくて、やっぱり、仕事の質を考えれば、こぼさないべきかなと。

一滴こぼしたところで、直ちに着火するものではないことは我々って知っているじゃないですか?

軽油の着火点なんて250度ですからね。

でも、その一滴を見逃して、雑な仕事が当たり前になってしまうと、アスファルトではないコンクリートの上でもシミが消えずに残っている、何回も何回も繰り返して。

我々が荷役をして立ち去った後に、注油口前にいつまでもシミが残ってて、店主は思うわけですよ。

仕事が雑だなって。

ガソリンと軽油の油種ごとに油種切り替えをするわけですが、しっかりと丁寧に油種切り替えをしていたのか?品質は守られているのか?って心配になっちゃうんです。

自家給油所を持つ人からしたら、自分の車にも入れることがあるわけだから。

前にも付加価値の話で言いましたが、車というのは、人生の中で買う品物では高額なものに分類されますよね。

自分のサラリーで買った大事な車に品質に確信が持てない燃料を入れられるか?

しかもコレが、商売であって、不特定多数の消費者に燃料を販売するときにエンジンに不調が現れたりしないだろうか?

冬の時期であれば、灯油の引火点が低くなるなど、スペックアウトと呼ばれる品質異常を起こしたりしないだろうか?って。

安心してモノを売れない信用のないローリー屋さんってまずくないですか?

商売人さんは、その地域で商売をするわけですから、そのお店の商品に欠陥があると噂でも出たら死活問題になりかねない訳ですよ。

職業選択の自由、居住の自由があるので、どこで商売をするのもその人の自由ですけど、その人の選んだ地域で「そこに住む地域住民の信用がなくなるかもしれない」と危惧されてしまうような荷役、振る舞いをされたら、怖くてその運送会社には依頼が出来なくなってしまいますよ。

不誠実な仕事の取り組みが続けば、いつ注文が来なくなってもおかしくないですよね。

残念ですけど、自分が店主であって、ガソリンスタンドを経営しているとしたらローリーのドライバーさん、その運送会社にも質を求めます。

荷役がしっかりしているのは当然、その時の作業音であったり、車の清潔、清掃具合、ドライバーさんの制服、着こなし。

見た目と言葉使いで、その人が誠実に仕事をしているのかを簡単に推し量れると思うのですよ。

人は見かけじゃないというけれど、結構、見た目に左右されてますよ。

実際には誠実な人なのかもしれないけど、私は誠実であると言うのであれば、SSに納入する際に、「私の服装がその石油メーカーのイメージにもなる可能性があるのだ。」と思って服装にも気を使うと思うわけです。

裾がズボンにインされているか?襟めくれてないか、もちろんヘルメットも深くしっかりと被って。

佐川急便の運転手さんなんて、常に駆け足で移動してますでしょ。

 

極端な話ですけどマーク配送であれば、その会社のロゴであったりで、客観的にその石油メーカーに関連した人であると容易にわかる、その看板を背負って走っている。

マーク車でなくてもキャビンには運送会社の名前が書かれているのに、信号待ちで窓から淡唾を吐きだす。ゴミを捨てる。信号待ちで小用をたす。

まずくないですか?

最近では、容易に動画配信をすることもできるようになりましたし、相模原の方で廃業になった配送業者もありましたよね。

幸いというか、他の資本が吸収してくれたようですが、一人の軽率な行動が、みんなで積み上げてきた信頼・信用を一瞬にして失墜させます。

一度失った信頼・信用を取り戻す道のりは困難の極みです。

 

ある一定のスタンドの人って、雑務な職業ではありますけど、自分の振る舞い、言動が既存のお客様にどのように影響するかを常に考えますから、そういう人からすると、「ただ運べばいいんでしょ」的な発想を振る舞いから感じ取られてしまったら、拒絶されると思います。

お客様に誠実に接している店員が、きれいなユニフォームで、暑いのに、寒いのに笑顔で「いらっしゃいませ」って言っているんです。

本当は暑いから、、と、テレンコテレンコ歩きたいのに、そんな振る舞いをしたら、「やる気のないお店だ、いい加減だ」誠実に、真面目に仕事に取り組んでいない人を見て信用ならんと感じられてしまったら、そこに価値観を置いている既存客は他のお店に行ってしまうんですよ。

たいてい、そう思うのは同業者か、接客関係の人かもしれないですけど。

結果的に「そんなの気にしない、安ければいいんだ」ってお客様だけが残っていきます。

こういった小売価格のみで勝負することは悪戯に消耗していくだけだから嫌なんですよ。

差別化にもならないし、客層も変わってきますし。

ガソリンスタンドって、もちろん燃料を売りますけど、油外収益って言って、燃料以外の洗車だ、オイル交換だ、車検だっていう、3年サイクルで発生する車に関連する商品を売っていきたいんです。

お客様が固定化されるから、車を買い替えても、ずーっとです。

作業工賃って技術料は利益になるんです。覚えるまではコストがかかりますけど、覚えてしまえば、もうお金はかからないですから。人件費だけです。

車は生涯使い続けいていくものだから、その顧客を引き付けておけば、ずーっと商品を買い続けてくれて、技術料ももらえるんです。

安ければ良いという既存客さんは技術代の入った高額な洗車とか買ってくれませんから。

タイヤ交換にしたって、値切られるんですよ。「作業工賃負けてよ」って。

タイヤ代そのものの値段ではタイヤの量販店にはどうやったって勝てないですよ。

実際、タイヤ交換なんてタイヤチェンジャーと工具があれば、図工2の三石だってできますよ。

ま、スタンドマンを10年やってましたけどね。

そのスタンドマンさんの技術、これを負けろっていうお客さんが多く残るようになるんです。

スタンドの人だってタイヤチェンジャーを買うのに大枚はたいてるんですよ。

あれ、電気で動くんじゃないんですよ。

コンプレッサーも必要なんです。

バール一本なければタイヤを外すことも大変なんですよ。

こういった費用のかかるもの、工賃で回収する必要のあるものなのに、工賃を負けてって言われるんです。

負からないと他の安いところに行かれてしまう。

そういう客層の人が多く残るようになる。

良い商品をお安く買うことが悪いわけではないんです。

三石だって吉野家の牛丼好きですから。

ただガソリンスタンドを経営するにあたって、「大手カーショップのように薄利多売でいいんです。お安くしていますのでどうぞ、たくさんのお客様にお越しいただきたい。そのためにスタッフも多く常駐させています。」という趣旨のお店とは違うんです。

多くのお客様のニーズに合うカー用品を豊富に取り揃えているわけではなく、車を動かすうえで必要なガソリンの給油が目的ではあったけれど、人生の中で高額な分類に当たる自家用車に燃料を入れるのであれば、きれいなお店、信用できるお店で給油をしたいという、一定のニッチかもしれないけどニーズのあるお客様に引き続きご来店いただきたい。

その信用を求めてくるお客様に、ウチのお店はこんなに誠実に、真面目に仕事に取り組んでいます。だから、信頼できるウチにあなたの大切な車のメンテナンスを任せてください。

そういう演出をしているんです。

そういう演出が出来るようにスタッフの教育をするんです。

厳しく指導するんです。

そういったお店に、「ただ運べばいいんでしょ」という考えで、振る舞いで行ってしまうと、

我々の提供する仕事の質に、会社の企業価値に、安かろう悪かろうの烙印を押されてしまう。

そういった企業イメージが各石油メーカー代理店にも伝わり、市場での我々の価値を貶めることになりかねない訳です。

やっぱり注意は必要ですよね。

誠実にスタンド経営を考えている店主からすると、納品している我々はお店の関係者のように見られていると感じているんです。

マーク車であれば尚更です。

 

一回、安かろう、悪かろうのレッテルを貼られてしまったら、そう簡単にはがせませんよ。

まさしく困難の極みです。

信頼できる人かどうかの判断はその人の仕事の仕方、誠実さ、取り組む姿を見て決められると言って過言ではないと再三伝えています。

我々の職業で、運転する技術、荷役をする技術、これを持っているのに、この運送会社は荷役が信用ならないから他の会社と契約をすると判断されてしまったら、元に戻すのは容易ではないですヨ。

店主も慈善事業をやっているわけではないですから、「どうかウチのドライバーの技術をもう一度見てください。」「ウチの会社を使ってください」と言っても態々対応はしてくれないですよね。

じゃ、もう一度使ってあげるけど、運賃負けてって。

店主からすれば、技術に付加価値が無いと思われてしまったら、セールスポイントは何になりますか?

価格になってしまうでしょ?って。

我々の知って、経験して身に着けたこの運転する技術、荷役をする技術を負けろって言われるんです。

そうしないと仕事を獲得できないなんて嫌じゃないですか?

冬は、どこも灯油の配送でローリーが少なくなりますから、運送会社が強くなります。

ですが、年間を通して考えたときに春夏秋の需要が活発ではないとき、年のほとんどの時期に安い運賃でないと仕事がいただけないことは、とても寂しい結末になります。

企業イメージという点で見るとやはり、マーク車の方が圧倒的に有利だと思います。

店主からすれば他に運送会社はあるわけだから、この時期であれば、運送会社を選択することで自社の企業イメージも操作できるわけですよね。

無印よりは差し看板でもマーク車の方が、、とか、

差し看板よりはフルマーク車の方が、、、とか。

マーク車は契約によるものですから、誰でも勝手にマーク車両を作って良いわけでもないです。

大手石油メーカーが莫大な広告費をかけて企業ブランドを確立させてきたことを考えると、一企業が企業イメージを向上させることがどんなに大変かは容易に考えられますよね。

マーク車と無印車で運賃差がほとんど無くて、提供できる技術、振る舞い、行為の仕方に付加価値が無いと、我々の振る舞い一つで無印車両を選択する価値が無いということになってしまう可能性があるわけです。

いつまでも同じ環境が続くとは限りませんから、できることはやっていくというスタンスで行きたいですね。

安く仕事を受注して、忙しく配送をしては見たけれど、利益はほとんど残らず、ボーナスも出せず、設備に回せる資金もなくなっていく。

そんな環境にはなりたくありませんので。

以前の経営陣がやっていた環境と、今は違いますからね。

年を取って体力が落ちてきた、疲れやすい。でも働かないと給料にならない。頑張って働くかと活きこんでも納入先は減ってきている、労働時間を減らせ、残業時間を減らせと国が言ってきている、しかも最低賃金は上げろという。そんな中でも利益は出さなくてはいけない。

じゃあ、どうするの?

 

企業価値を上げていきましょうよ。

この会社なら任せて安心、また来て欲しい。

そう思ってもらえる会社です。

そこで働く我々も当然に価値ある人材である。

そう思って働く我々に行動は誇り高いものになっていきます。

そういう環境に導いていくこの仕事、簡単な分けねえだろって話です。

結論、ローリーの仕事って超大変。

以上、今月のお話でした。